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The Annoted Alice

 

表紙のチェス盤意匠が印象的な Martin Gardner, Lewis Carroll, The Annoted Alice, the definitive edition (2001) に親しんできたが、今回新たに150th Anniversary Deluxe Edition (2015) と高山宏訳『詳注アリス 完全決定版』亜紀書房 (2019) を入手して「不思議の国」と「かつらをかぶった雀蜂」の一読を終えた。仕事に戻らないといけないので「鏡の国」はお預け。やはりめっちゃ面白い。現実における Alice の苗字 Liddell は little, fiddle, riddle と同様にリドゥルと発音する。Liddell-Scott-Jonesはリドゥル・スコットということになる。Gardner 2015, p. 91, n. 11; 高山 2019, pp. 198-199, n. 11 ほか。

 

あらゆる情報源を駆使する詳註は、洋の東西を問わず古典の註釈者が普通にしていることだが、Gardnerの詳註は小川洋子『テオプラストス 植物誌』を想起させる。徹底的・網羅的。私の『ピロストラトス/カッリストラトス エクプラシス集』では、出版用の註釈は読みやすさを優先させて摘要し、詳註はイタリア語版で展開するか、それが無理なら自分のサイトで公開するつもりでいる。